HACHI 約束の犬 評価
全体的な評価は、5点満点中、
星5つ ★★★★★
ストーリーの評価 ★★★★★
キャラクターの魅力 ★★★★★
インパクト度 ★★★★☆
設定・世界観 ★★★★★
映像美 ★★★★★
HACHI 約束の犬 感想
愛犬家から見て嬉しいシーンがたくさん盛り込まれ、
大変感激してしまう作品です。
日本でお馴染みのハチ公物語の世界観を損なうこと無く、
さらに深く犬の心情までを繊細に表現。
とにかく脚本が丁寧で素晴らしく、構成に優れ、
ハリウッドのクリエーターたちの層の厚さというのを、
実感せずにいられませんでした。
最初から最後まで、犬への愛情がいたるシーンに感じられる、
素晴らしい作品だと思います。
■犬の目から見える光景
随所に、ハチの目から見た景色として犬目線の映像が登場。
これは、人間と違い、色盲と言われている
犬の目から見た色合いを表現しているものと見られ、
犬を愛する制作陣の映像へのこだわりを感じます。
■犬の聴覚
小屋にいるハチが、遠く離れた母屋の家族の声を、
小屋にいながら聴きとってしまうシーンに感激。
耳がいいと云われる犬から視点(聴点?)が嬉しいシーンです。
■日本語吹き替え版
パーカー教授の吹き替えを、
ソフトバンクのCMでお馴染みのしゃべるおとうさん犬、
カイくんの声をあてている北大路欣也さんが担当。
そして愛犬家でもある柴田理恵さんなども
吹き替えに参加しているのも嬉しいポイント。
■悪い人が出てこない
安心してみていられるのが嬉しい作品。
■ハリウッドの脚本力
派手なシーンや演出が無いのに、
冒頭の20分くらい、すっかり見入ってしまいました。
静かな流れでこれだけの時間見せられるのは、さすがハリウッドの脚本力。
■脱走シーンはハリウッド流!?
ハチが柵から脱走するやり方は、
2005年に公開された犬の映画「名犬ラッシー」でも、
ラッシーが脱走する際に使ってました。
一生懸命脱走しようとする姿に、思わず応援したくなってしまうシーンです。
■犬ばか・親ばか
パーカー教授がハチにボール遊びを教えるシーンが微笑ましいです。
さりげなく親ばかぶりが、なかなかリアルな描写となっています。
愛犬家なら絶対やっていると思うので思わず共感してしまう愛犬家も多いと思います。
■ボール遊びは特別
ボール遊びは特別な時にやるもの…。
しかしある日、自らボール遊びをねだるハチの不思議な行動…。
これは、物語の先行きを示唆する大事なキーワードとなります。
こういった繊細な脚本も、この作品が高評価となるポイントのひとつです。
■秋田犬がなじんでる
和犬である秋田犬なのに、
アメリカ人と並び、アメリカの風景の中にいても、
とてもよく馴染んでます。
■リチャード・ギアが素敵
リチャード・ギア扮するパーカー教授がピアノを弾くシーンや、
ハチとたわむれる姿などに、優しさが溢れています。
女性の方なら、こんなリチャード・ギアの姿を見ているだけでも、
もうウットリかもしれません。
■セリフが良い
「マッサージ、練習しなくちゃね」
パーカーが亡くなったことを、娘のアンディがこんな一言のセリフだけで伝える
演出センスが素晴らしい。
■犬への愛情
ハチを車に乗せてドアを閉める瞬間、
「いいかい、閉めるよ」
と言いながら、ドアをゆっくりと閉めるシーン。
愛犬家なら当たり前かもしれないですが、逆に言うと、
愛犬家でなければ気が付かない犬への愛情が感じられる良いシーンです。
■ハチの心情
動物が登場する映画でありながら、
動物のアクション的な面白みより、
心の模様を描き出してる点が感動を誘います。
特にラスト30分は、ハチの心情が、これでもかというくらい丁寧に描かれていて、
ハンカチが手放せません。
■犬の心情を表すアイデア満載の演出
ハチは当然セリフをしゃべらない分、
その行動で心情を表すような演出が随所に見られます。
たとえば、ハチがアンディにお礼を言うシーンでも、
アンディの手を舐めてさよならの挨拶をした途端、
次は一気に駆け出すなど、ハチの気持ちがとても伝わってくる演出がさすが。
家族と幸せそうに歩くプードルを思わずじっと見つめるハチ、
こんなシーンも、セリフがないのにハチの心情がよく伝わってきます。
■ラストは号泣
「いやあ待たせたね」
降り積もる雪、幸せそうに眠るハチ、優しいパーカーのぬくもり…。
ここまでの間にすっかりハチに感情移入してる人は、
きっとラストは号泣ものです。